皆さんの会社でも、会議室にホワイトボードがあるというところは多いのではないでしょうか。そのホワイトボード、せっかくあるのに使っていない、ということはありませんか。今回は、会議の議論を「書く」ことについて考えてみましょう。
議論を「書く」と会議が変わる!
会議をしていると、「あれ?今何について議論しているんだっけ?」「いろんな意見が出てきて混乱してきた」ということがありますよね。時間はかけているし、意見もたくさん出ているのに、なぜか結論が出ない、まとまらない…。
そうしたときにぜひ試したいのが、議論している内容を「書く」こと。
ホワイトボードに議論を書き出していくことで、議論が整理されて分かりやすくなり、結論へとまとまりやすくなります。その効果は、実際にやってみると強く実感できます。私自身、書き出すことによって議論がまとまっていった経験は何度もあります。「今日の混乱ぶりは、さすがに書いても解決しそうにないな」と思ったときでさえも、書いてみると不思議と結論が出てしまったという経験もあります。それほど、議論を「書く」ことの効果は劇的なのです。
議論を「書く」ことのメリット
では、議論を書き出すことには、どのような効果があるのでしょうか。
議論している内容が分かりやすくなる
当然ですが、声と耳だけで成り立っている議論よりも、内容が文字や図として書き出されていれば、より分かりやすくなります。特に、メリット・デメリットについて対照表のように書いたり、スケジュールが時系列に書かれていたりといったように、議論を構造化すると、より内容が分かりやすくなり、議論が深まっていくことが期待できます。
参加者の共通認識が生まれる
会議をしていると、「さっき○○ということに決まりましたよね?」「え?さっきは□□ということになったよね?」というように、参加者どうしの認識がずれることが多々あります。
こうしたとき、議論がホワイトボードに書かれていれば、誰にとっても一目瞭然で、認識のずれが起きにくくなります。また、ずれが起きたとしても、議論を書いている途中に気づけるので、「決まったことは、いま書いているようなことじゃないよね」とすぐに修正できます。何も書かれていなければ、ずれを放置したまま議論が進んでしまうのです。
議論を関連付けやすくなる
意見やアイデアが書き出されていると、それらの相互の関係に気づきやすくなります。
例えば、ある議題に対して、A、B、C、D、E、…と様々な問題点があがってしまい、どこから解決していいか混乱してしまうことがあったとします。そうしたときに、それらの問題点が書き出されていれば、「Aの問題が解決すれば、Cも自然と解決するよね」「AとDの問題点は相反するものだから、どちらかは諦めるしかないね」などと問題点を関連付けながら議論ができ、混乱が収束しやすくなります。
こうしたことは、頭のなかで自然とできる人もいますが、参加者全員がそうとは限りません。個人の能力の差という場合もありますが、ベテラン社員と若手社員というように経験の差によっても、できる人とできない人が生まれてしまいます。誰もが自然と関連付けができ、それを共有できるようにするために、議論が書かれていることが重要なのです。
新しい発想が生まれやすくなる
アイデアを出し合う会議では、アイデアを生むきっかけが大切になります。何もないところから新しいアイデアを生み出すことは容易ではありません。
そうしたときに、みんなのアイデアや他社のアイデアなどが書かれていれば、それをきっかけに新しい発想を生み出すことができます。司会も、「ここにあるAのアイデアをさらに広げられないかな」などのように、書かれたものを使いながら、さらに発想を促すことができます。
勇気を出して、書いてみよう!
会議中にホワイトボードを使う習慣がない会社、チームでは、「ホワイトボードに書こう」と切り出すのに勇気がいるかもしれません。また、「ホワイトボードを使おうって言いたいけれど、私、うまく書けるかな」と尻込みしてしまうこともあるかもしれませんね。
はじめは少しだけでもよいので、まずは書いてみて、その効果を実感することが大切です。会議全体について書き出さなくても、「今のところ、ちょっとわからなかったので、書き出してみてもいいですか」と、部分的に書いてみるのもいいでしょう。効果が実感できれば、徐々にみんなが「書く」ことを当たり前のことと認識するようになっていきます。
なお、会議室にホワイトボードがないというときは、ぜひ会社に購入を要望しましょう。やや高額になるため、すぐに購入できそうにない場合には、壁に貼り付けるシートタイプの簡易的なものもあります。持ち運びもできてとても便利!おすすめです!