みなさんが行っている会議には、いろいろな種類のものがありますよね。「上層部の決定事項を伝達する会議」「新しい企画を生み出す会議」「クレームへの対応を検討する会議」などなど。今回は、こうした会議を、会議の「目的」という観点から考えてみましょう。
会議は目的によって分類できる
会議にはいろいろな種類のものがあります。これらを「目的」という観点から分類しておくと、その会議に応じた手法を用いたり、段取りを組んだりすることができるため、とても便利です。
分け方の例として、以下のように3つに分類する考え方があります。
- 情報共有を目的とする会議
- アイデアを出し合うことを目的とする会議
- 意思決定することを目的とする会議
先ほどの例で言えば「上層部の決定事項を伝達する会議」は1.の情報共有の会議に当たります。他にも、「各部署の現状を報告し合う会議」「今後の作業内容を連絡する会議」などもこれに当たります。
2.のアイデアを出し合う会議は、先ほどの例では「新しい企画を生み出す会議」になります。3.の意思決定の会議は、先ほどの「クレームへの対応を検討する会議」の他に、「各部の予算を承認するかどうか決定する会議」「プロジェクトのスケジュールを作成する会議」などが当てはまります。
3つの目的に応じた会議の進め方
それでは、上の3つのタイプの会議について、それぞれに適した進め方や注意点を考えてみましょう。
情報共有のための会議
情報共有の会議は、議論を行うということではなく、担当者が報告、連絡するという形が主になります。したがって、往々にして1人だけが話をして、他の人は聞いているだけ、という形になりがちです。参加者も「自分たちは聞くだけ」という意識になりがちで、退屈な会議の典型とも言えます。
そこで、情報共有の会議を効率化するには、以下のことに気をつけましょう。
- 資料の配布で済むものは、資料に任せる。重要事項だけおさえるようにする。
- 参加者からの質問を促すようにし、情報共有にヌケやモレ、勘違いがないようにする。
- 日常的にメールなどでコミュニケーションを取り、情報共有の会議自体を少なくする。
特に3つ目のポイントが重要です。日頃からコミュニケーションを密にとっていれば、会議を減らせるというだけでなく、チームワークを高めることにもつながります。
アイデアを出し合うことを目的とする会議
アイデアを出し合う会議は、会議の中でも最もクリエイティブなもので、他のものに比べて楽しく進めていくことができるでしょう。
このタイプの会議で最も頭を悩ませるのが、参加者から意見が出されないということ。そこで、以下のような点に配慮しましょう。
- ブレインストーミングの形式で会議を行う
- アイスブレイクを行い、参加者の緊張をほぐす
- 司会が適宜話を振ったり、問いかけたりする
それぞれについては、別の記事で詳しく紹介していきますので、合わせてご覧ください。



意思決定をする会議
日常的には、このタイプの会議が一番多いかもしれません。大小様々あるとは思いますが、仕事上の問題は日々発生します。それをどう解決するか意思決定する機会は、毎日のようにあるといってもよいでしょう。
このタイプの難しい点は、問題解決の糸口をどう見出していくか、参加者の議論をどうまとめて結論を出すか、といったところでしょう。なかなか一筋縄ではいかないこともありますが、以下のような点に注意してみましょう。
- 議論をホワイトボードに書き出して見える化する
- 議論を細分化して整理する
- アイデアを出し合う会議と同様、参加者が発言しやすい場をつくる
こちらも、それぞれの項目については、別記事で詳しく書いています。ぜひご覧ください。


1つの会議が、3つのタイプの順に進むことも
ここまで、会議を3つのタイプに分けて見てきましたが、実際には1つの会議がこの中の1つだけに当てはまるのではなく、1つの会議の中にいろいろなタイプが混在することもあります。
例えば、新しい商品企画を考える会議があったとします。大きな枠で捉えれば、先ほどの「アイデアを出し合う会議」と言える会議です。しかし実際には、まずはじめに現行製品の売上やユーザーからの評価を共有するところから始まるかもしれません。この段階は、「情報共有の会議」ですね。
そして、「アイデアを出し合う会議」を行った後、アイデアの中から1つに絞る段階があったとします。ここは「意思決定の会議」になります。
このように、1つの会議の中で、3種類のタイプが順番に現れることもあります。それぞれの段階で頭を切り替え、先ほどの注意点をふまえて、どの段階にどんな注意をすべきか考えながら、会議をスムーズに展開しましょう。
まとめ
今回は会議を目的から分類し、注意点を整理してみました。実際に会議を行う際も、このどのタイプに当たるかに気をつけると、注意すべき点がはっきりとしてきます。会議を始める前に、まず考えるようにしましょう。