会議が終われば、議事録を作るのが一般的。意外に時間がかかり、大変な作業ですが、議事録をしっかりと残すことは、会議の運営、その後の業務にとってとても重要です。今回は、議事録を作る目的について考えてみましょう。
議題と結論を再確認し、共有する
議事録を作る最大の目的は、その日に話し合ったこと(議題)とその結論を参加者全員が共有することです。
会議で一生懸命話し合って、全員で合意したことでも、その認識にズレが生じていることは往々にしてあります。会議中もズレが生じないように、ホワイトボードに書き出したり、最後に結論を確認したりすることが重要ですが、それでもズレが生じるときは生じるのです。
議事録にあらためてまとめて参加者が確認することで、何が決まったのかを文字情報として明確に再確認し、共有することができます。もし参加者の認識にズレが生じていた場合でも、議事録を見て再度全員で確認し、修正していけばよいのです。
会議の内容を思い出せるようにする
ある議題についての会議が一回で終わるとは限りません。例えば、新製品の企画を話し合うという場合に、一回目ではアイデア出しを行い、二回目には一回目のアイデアの検討と絞り込み、三回目に最終決定といったように進むこともあるでしょう。
しかし、二回目、三回目の会議の際に、前回までの議論や結論をしっかりと全員が覚えているとは限りません。特に、自分の意見と異なる結論に至ったときには、記憶が都合よく書き換わってしまうことも往々にして起こります。そうしたときに、議事録があれば、前回の議論や結論を振り返ることができ、それをきっかけとして、前回の議論の詳細も、記憶から引っ張り出すことができます。
ToDoを明確にする
会議を行うと、必ずそこでToDo(やるべきこと)が発生します。上記の新製品の企画会議であれば、一回目の会議でアイデア出しを行った後、例えば、「二回目の会議までにそのアイデアの詳細を各自で検討してくる」といったToDoが発生するでしょう。
議事録では、このToDoをしっかりと明記し、今後の業務がもれなく行われるようにしなければなりません。議論はしたのに、それがその後の業務に反映されないのでは意味がありません。往々にして、ToDoも認識が共有されていなかったり、忘れ去られてしまったりすることが多いので、議事録に明記して明確にすることが大切です。
欠席者と情報を共有する
その日の会議に、関係する人が全員参加できていればよいですが、日程が合わなかったり、急に体調不良で休みをとったりと、欠席者が出る場合もあるでしょう。そうした場合にも、議事録があれば、後日欠席者がそれを読んで、結論やToDoを把握することができます。
また、上司や関連する他部署に人に、会議の内容を報告しなければならないこともあるでしょう。そうしたときにも議事録が必要になります。
参加者や日時を記録として残す
議事録には普通、そのときの参加者や日時なども記載します。結論やToDoなどと比べれば重要度は劣りますが、これらの記録も後々重要になることがあります。
例えば、参加者が記載されていれば、後で「○○さんはこの日参加してなかったから、個別に連絡して、決まったことを説明しておこないと」というように欠席者へのフォローが必要なことに気づけます。また、会議時間が記録されていれば、次回の会議にどの程度時間がかかりそうか考える手助けになるかもしれません。
こうした形式的な情報も、その後の業務を円滑に進めていくために重要なのです。
まとめ
作成に手間がかかる議事録ですが、このように見ると、やはり重要なものであることが分かります。業務に過度な負荷がかからないよう、議事録の作成方法を工夫する必要はありますが、会議と議事録はセットのものとして考えましょう。

