「会議をどう効率化すればいいかは分かった! でも、上司になんて言えばいいかなあ…」
実際に会議の効率化を進めていくには、どう切り出していくか、どう実行にうつすかが問題ですよね。今回は、その具体的な方法について考えてみたいと思います。
会議の効率化を進める3つの方法
あなた自身が会議を取り仕切る立場であれば、様々な手法をすぐに実行に移すことができるでしょう。しかし、上司や先輩が進行している場合は難しいですよね。
そして、たいていの場合、会議の進行に問題を感じているのは、上司や先輩ではなく一般社員のほう。上司や先輩は、会社の社風や会議の雰囲気に慣れてしまっていて、問題に気づきづらくなっていることが少なくありません。
では、若手の社員など、会議を進行する側ではない立場の人が、会議を効率化していくためにはどうすればよいのでしょうか。
発言力のある先輩に相談する
どこの部署にも、上司に頼りにされている有能な社員がいるもの。上司に対しても意見をはっきりと述べることができる、そのような人がいる場合には、その人に仲介してもらうのがよいでしょう。
例えば、「先輩、いつもの定例会議、長くないですか。○○のところは□□にしたほうがいいと思うんですよ。上司に相談してみてもらえませんか。」のような形で、相談をしてみましょう。
このとき、比較的改善しやすいものであったり、誰もが問題であると認識しているものから進めていくようにしましょう。
上司に頼りにされている人とはいえ、上司に改善提案をするのは勇気がいることです。説得力のないことは提案しづらいもの。その先輩の立場も考えてあげ、取り組みやすいものからお願いしましょう。いきなり「定例会議は廃止すべき」といった根本的な提案ではなく、「いつも時間をとっているはじめの報告部分は、○○のところはカットしてもいいんじゃないか」「いつも議事録を残していないけれど、メモ程度でも記録を残したほうがいい」といったものから提案しましょう。それがクリアできたら、1つずつ新しいことに取り組んでいけばいいのです。
なお、上司のさらに上の上司に相談ができる状況であれば、相談してみてもよいでしょう。ただし、上司の上司は、該当の会議に出ていない場合もあり、理解してもらうのが難しいかもしれません。できれば、会議に参加しているメンバーで発言力のある人に相談しましょう。
そして、実際に上司にかけあってくれたときには、感謝を伝えるのをお忘れなく。
目立たないように進行っぽいことに取り組んでみる
若手の社員であっても、自分自身で取り組めることがないわけではありません。
例えば、「いま決まったこと、私の認識があっているか確認したいんですけれど、○○ということでいいですか?」というように、会議中に結論を明確化することなどが考えられます。これについては、榊巻亮さんが、以下の本で、「確認のファシリテーションをする」「隠れファシリテーション」として詳しく紹介しています。会議本の決定版とも言える本なので、ぜひ参考にしてみてください。

「確認」以外にも、例えば、「いまの意見、私も賛成ですが、担当の○○さんがどうお考えなのかも気になります。どうですか?」というように、話をふることもできます。
大切なのは、普段の会議の延長線上でできるような発言から始めるということ。あまりバリバリに進行してしまうと、本来の進行者の機嫌を損ねてしまいます。進行的な発言だけをするとそうなってしまいがちなので、「自分の意見+進行的なこと」とすると、仕切ってる感が薄れるのでおすすめです。先ほど例としてあげた話をふるセリフも、「いまの意見、私も賛成ですが(自分の意見)、担当の○○さんがどうお考えなのかも気になります。どうですか?(進行的なこと)」となっているのです。
下準備をする
もう1つ自分自身でできることとして、会議前に下準備をしておくことが考えられます。
例えば、定例会議で報告事項に時間がかかってしまうことが問題だったとします。これに上司が気づいて対処してくれればよいですが、そううまくいかない場合、日常的なメールのやりとりの中に報告を含めておくことが考えられます。会議の場では、「先日メールで概要はお伝えしたとおりで、補足しますと~」のように短縮することができます。
あるいは、「今回の件は少し説明が長くなりそうでしたので、資料にまとめておきました。詳しくは後ほどお読みいただきたいと思いますが、ポイントとしては~」のように、資料をつくっておくことで時間短縮できることもあるかもしれません。
このときに大切なのは、「メールで報告しましたので、ここでは省略させていただきます」と全カットしてしまうのではなく、補足事項などをきちんと発言すること。いきなり今までと大きく違うやり方をしてしまうと、他の人と歩調が合わなくなり、浮いてしまいます。
先ほど紹介した「進行っぽいことをする」と同様に、現在の会議の進め方の延長線上でやるようにすると、スムーズに導入できます。
まとめ
今回はいつもとは趣向を変え、会議の効率化の手法ではなく、その導入の手順をご紹介しました。いずれも共通しているのは、「少しずつ」ということ。いきなりドラスティックに変えるのではなく、少しずつ改善を積み重ねましょう。そして、自分自身が司会進行できる立場になったら、その土台をもとに、大きな変革に手をつければいいのです。