会議の議事録を作成するとき、「発言を書き起こしたものがあれば、議論が思い出せて、議事録作成が楽何だけどなぁ。」そんなふうに思ったことがありませんか。以前の記事では、Sloosという自動文字起こしアプリがリリースされたことをご紹介しましたが、今回はGoogleのツールを使って、文字起こしを自動化する方法をご紹介します。

Web会議の音をGoogle Documentに流せば、文字起こしできる!
iPhoneなどのスマートフォンでは、音声入力を使う人も多くなってきました。これがうまく使えれば、Web会議中の発言も文字に起こすことができます。
しかし実際には、スマートフォンをPCのスピーカーに近づけても、なかなかうまく認識してもらえません。やはり音質が十分にクリアではないためでしょう。
そこで今回は、PCの音声の出力に工夫を凝らし、音声をGoogle Documentの音声入力に認識させる方法をとります。先ほどの方法では、PCのスピーカーから出る音をiPhoneのマイクで認識させるため、音質の問題が生じますが、Web会議の音を直接Google Documentに流すことによって、よりクリアな音質で文字起こしをすることができるのです。
Google DocumentでWeb会議の音を文字起こしする方法
それでは早速具体的な方法を見ていきましょう。
音声の設定をする
通常の状態では、Web会議の声は、PCのスピーカーやイヤホンから流れ、Google Documentの音声入力には入っていきません。そこで、音声の設定を変更します。
多くのWindows PCには、「ステレオミキサー」という機能があります(機種によって、ステレオミックス(Stereo Mix)、再生リダイレクトという名称の場合もあるようです)。これは、PC上で流れている音を、そのPC自身で録音することなどができる機能です(出力設定は別なので、スピーカーやイヤホンからも音が出ます)。
では、ステレオミキサーを設定していきましょう。まず、設定のアプリを開き、「システム」を選びます。

左の欄から「サウンド」を選び、右の「サウンド コントロールパネル」をクリックします。

「録音」のタブを選び、「ステレオミキサー」を右クリックします。そして、「有効」をクリックします。

※「ステレオミキサー」が表示されていない場合は、「録音」のタブを選んだあと、何もないところを右クリックします。そして、現れたメニューから「無効なデバイスの表示」をクリックすると、表示されます。

もう一度「ステレオミキサー」を右クリックし、「既定のデバイスとして設定」をクリックします。

これで、ステレオミキサーが有効になりました。さらに、音量レベルを最大にしておきましょう。ステレオミキサーをダブルクリックし、「レベル」のタブで、音量を最大にします。

Google Documentで音声入力をスタートする
Googleにログインし、Google Documentを開きます。そして、「ツール」のタブから「音声入力」を選択します。

マイクのボタンを押すと、マイクが赤色になり、音声認識がスタートします。あとは、Web会議を実際に始めれば、声がGoogle Documentに認識されて、文字起こしされていきます。

文字起こしの精度は?
気になる文字起こしの精度ですが、音量・音質しだいです。
Google Documentの音声認識自体はかなり高いレベルにありますので、クリアな音質で会話できていれば、80~90%程度の精度で文字起こしされます。音質が悪かったり、音量が小さかったりすると、50~60%程度に落ちてしまいます。
特に音量が小さいと、そもそも何も認識してもらえなくなり、音声認識もストップしてしまうことがあります。できるだけはっきりしゃべる、マイクに近づいてしゃべる、といったことを気をつける必要がありますね。認識がストップすることもあるので、ときどきGoogle Documentをチェックする必要もあります。
なお、こちらでヘッドセットのご紹介もしていますので、参考にしてみてください。
文字起こし用のPC・PCを用意しよう
この方法で文字起こしする場合、ステレオミキサーを使うため、PCのマイクの音はGoogle Documentに流れません。したがって、自分自身の発言が文字起こしされないのです。
そこで、文字起こし専用のPCを用意し、そちらで先ほどの設定を行い、Web会議に参加しましょう。自分自身は別のPCから会議に参加し、発言するようにすれば、自分の発言も文字起こし専用PCのほうで認識され、文字起こしされます。
文字起こし専用PCを用意するのには、もう1つ理由があります。
Google Documentの音声認識は、ブラウザを常時前面に表示していないと止まってしまうのです。例えば、ブラウザのタブを切り替えたり、Wordなど別のアプリを前面に表示したりすると止まります。したがって、文字起こし専用PCを設置し、Google Documentを表示しっぱなしにする必要があるのです。
まとめ
今回はWeb会議の自動文字起こしをご紹介しました。正直に言うと、設定などがいろいろとあり、もう少し手軽にできないのかなという感じです。しかし、会議が頻繁にある方や議事録を詳細に求められる方には、一度やり方を覚えてしまえば、あとの作業が効率化できるので便利かもしれません。一度ためしてみてくださいね。