「結局どうなった?」とならないために! 会議の進行は積極的に「確認」しよう

会議の進め方
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「じゃあ、この議題については、○○という感じかな」

なんだかく漠然としていて、何を言っているのか、何が決まったのかよく分からないような議論、ありますよね。その場の空気感で、ふわっとした議論で終了してしまう。そんなもやもやした会議にならないようにするためにも、進行役は要所要所で「確認」を入れていきましょう。

どうしてふわっとした議論になるのか

どうして会議ではふわっとした議論になってしまうのでしょうか。

様々な原因が考えられますが、1つは、個々の意見が曖昧であることが考えられます。「○○については、なんか良くないと思うんだよなあ」のように根拠が不明瞭な意見、「○○の数については、多めがいいんじゃないか」のように数値などが不明瞭な意見。様々なものが考えられます。

また、参加者が好き勝手に意見を出してしまい、議論が噛み合わなくなってしまうと、どんどん議論が不明瞭になっていき、結論もふわっとしたものになってしまいます。

あるいは、意見が対立してしまってなかなか結論が出ないとき、その意見の中間をとるような結論を導こうとすると、やはり中途半端なふわっとした結論になってしまいます。例えば、「○○の生産は増やすべきだ」「それではコストが増大してしまう」と対立した意見があったときに、「じゃあ、コストがあまり増えすぎないようにバランスを見ながら生産を増やすということで」のような結論では、結局どうするのかがよく分かりませんね。

確認の仕方のポイント

上のようなことにならないために、会議の司会者は、要所要所で「確認」をしていくことが大切です。確認をする箇所としては、まずは、議論中の各自の発言です。議論の途中途中でそれぞれの発言を確認していきます。そしてもう1つは、最終的な結論。こちらのほうがより重要。しっかりと確認することが大切です。

それでは、確認をするときのポイントについて見ていきましょう。

具体的にどうか確認する

まず大切なのは、発言の具体的な内容を確認すること。例えば、先ほどの「○○の数については、多めがいいんじゃないか」については、「そうですね。そうすると具体的にはどのくらいでしょうか」と聞いて、具体的な数量について明らかにするのです。

具体的に聞く内容については、数量、金額、日時、範囲、対象、場所など多岐に渡ります。おおよそ5W2Hに集約されると思いますが、会議中に5W2Hを意識して進行するのもやや難しいと思います。「具体的にする」というように意識しておいたほうが、実際にはやりやすいでしょう。

根拠を確認する

先ほどの「具体的にどうか確認する」で、発言や結論の内容自体はある程度明確にすることができます。その上でさらに、その発言や結論の根拠を確認するようにしましょう。

「○○の数を1万程度に増やすということでしたが、どうして増やしたほうがよいと考えたのですか?」のように、発言の根拠を確認します。結論について確認する場合には、「結論としては、○○ということですね。この根拠としては、先ほど○○さんがおっしゃっていた□□ということでよいですか?」といった具合です。

会議の議論には常に根拠がつきものです。根拠を明確にして議論をしないと、なんとなくの感覚での議論になってしまい、議論が噛み合わなくなってしまいます。また、結論についても、根拠をはっきりさせておけば、結論についてよく理解できますし、会議後にその結論にそって作業をする際にも、背景を理解しながら進めることができ、臨機応変な対応ができます。

立場を確認する

「あの人、いろいろ言っていたけど、結局賛成なのか反対なのかよく分からなかった」ということもありますね。「今の意見は、議題に対して賛成という意味合いでいいですか?」のようにその人の立場を確認しておくと、意見の内容自体も理解しやすくなります。

問い詰めないようにする

さて、ここまでは「何を」確認するかを見てきましたが、一方で「どのように」確認するかも大切です。

曖昧な発言だからといって、「え?具体的にどういうこと?」「それで、数は?予算は?いつまでにやるの?」などと、尋問のようにならないようにしましょう。発言した人が恥をかかされたような雰囲気にしてはいけません。

まずは発言を受け止め、「そうですね。そうすると~」「なるほど。その場合は~」といった承認の言葉と順接の接続詞を入れ、その上で確認をしていきます。「なるほど。そうすると、具体的にはどの程度の数が必要になりますかね?」といった具合です。

また、その人のキャラクターにも寄りますが、わざとボケてみせるのも、うまいやり方です。「なるほど。そうすると数としては、100、いや1000かな。まだ少ない?どのくらいでしょうね?」のように、「私には分かりませんが、教えてもらえませんか?」といったスタンスの聞き方にするのです。

結論を確認するときも同様です。「そうすると結論は○○ですね。根拠としては……、あれ?なんでしたっけ?」といったように進行がわざとボケてみせると、参加者がしっかりと考えてフォローしてくれます。問い詰めるような形にならないだけでなく、参加者の発言をより引き出すことにもなります。

ホワイトボードに書く

他の記事でも強調してきましたが、確認の際にもホワイトボードに書いていくことが大切です。書くことによって、確認した内容や根拠がより一層明確になり、誰にも一目瞭然になります。

また、ホワイトボードはスペースに限りがありますから、短い文字で表現しなくてはなりません。そうすると、曖昧な表現ではなく、ズバッと端的な言葉にならざるを得なくなるため、さらに議論が明確になっていきます。

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まとめ

今回は「確認」について考えました。要所要所でしっかりと確認をしていくと、参加者がお互いに発言をしっかりと理解できるため、より整理された、噛み合った議論になります。そうすると必然的に結論も導きやすくなります。

「具体的にどういうことですか?」という一言でも、はじめはなかなか言いづらいかもしれませんが、案外他の参加者も同じように疑問に思っているものです。進行役はもちろん、一般の参加者も随所で確認をしていくとよいでしょう。