〔BookReview〕『世界で一番やさしい 会議の教科書』榊巻亮

会議本
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今回は、会議の進め方を物語形式で分かりやすく解説した、榊巻亮さんの『世界で一番やさしい 会議の教科書』をご紹介します。これ1冊で会議の基本がすべて分かる必読書です!

どんな本かざっくり言うと?

会議が長い、結論が出ない…、誰もが経験する会議の悩み。この本では、入社2年目の鈴川葵が、そうした問題点を解決し、グダグダの会議を改善していく様子が物語形式で描かれます。メインとなる4つの章で、「結論を確認をする」「終了条件を明確にする」「議論を書いて整理する」といった手法が説明され、会議の進め方を基礎から実践的に学ぶことができます。

主な内容をご紹介!

生涯会議時間は3万時間!

本書は、主人公の鈴川葵が、グダグダで問題点だらけと評判の定例会に初めて出席するところから始まります。そのグダグダぶりにあきれた葵は、生涯で会議に費やす時間について計算し、その数字に驚きます。

約三万時間!? 紹介労働時間が七・五万時間って聞いたことがあるけど、会社人生の四割が会議ってこと? そんな膨大な時間、この眠い会議をこらえないといけないわけ?

グダグダな会議に嫌気がさした葵は、この夜、父親に相談をもちかけます。

確認から始める!

コンサルタントである父親が、葵の話を聞きながら、会議の改善方法について語ります。

父親がまずはじめに取り組むように指示したのが「決まったこと、やるべきことを確認する」こと。会議が終わったところで、何が決まったのか、この後やるべきことは何なのかを確認するように指示します。特に「やるべきこと」については「誰が、いつまでに、何をするか」を明確にするようにと教えます。

入社2年目の葵は、そんなことペーペーの自分が言い出すことはできない、と言いますが、父親は次のように具体的な切り出し方も提案します。

「切り出し方が難しければ、こう言えばいい。『私の理解が合っているか確認したいんですけど、今日決まったことは、これとこれで、やるべきことはこれ、という認識で合っていますか?』。これくらいなら言えるだろう?」

それでもなかなか勇気が出ない葵でしたが、ついに定例会で確認を実行します。すると、思った以上に参加者の共通認識がはかれていないことなどが分かり、確認の大切さを知るのでした。

終了条件、予定時間を確認する

次に父親が教えたのは、会議の終了条件を明確にすること。「どうなったら会議終了と言えるか」を明確にすることで、必要な議論に集中できるようになると話します。

また、議題ごとの時間を決めることも大切だと話します。時間を定めることで「締め切り効果(締切が決まっていると、それに間に合わせようという意識が働くこと)」が発揮されるといいます。

「終了条件」と「予定時間」の確認。この2つも葵は実践し、見事に会議を予定時間通りに終わらせることができるのでした。

この後も、引き続き会議を改善する方法が様々に紹介されています。それらはぜひ本を読んでみてください。

感想

この本は、会議の入門書の決定版といってもよいのではないでしょうか。会議を改善する方法が、基本的なことから丁寧に書かれていて、とても分かりやすいです。

特にこの本のすごいところは、架空の会社の定例会議を新人社員葵が改善していく「物語形式」になっているところ。会議のグダグダの様子やそれが改善されていく様子が、実にリアルに描かれていて、自分たちの会議とリンクさせて理解することができます

また、この本の大きな特徴の1つが、実際に普通の会社で普通の社員が実践できることを取り上げていること。まえがきにも次のように書かれています。

会議に高いスキルや才能は必要ない。必要なのは”お手本”と、ちょっとした”始め方のコツ”なのだ。

特に「始め方のコツ」の部分はとても重要だと思います。いろいろな会議の改善方法について知っても、それを実際に自分の会議で取り入れるのはハードルが高いですよね。「上司にダメだと言われないかな…」「他の人に引かれちゃわないかな…」と不安になってしまいます。

本の中では、上司や司会進行の立場ではない人が、会議の進行を改善していくことを隠れファシリテーションと呼んでいます。会議の進め方に疑問を感じているのは、往々にして、上司ではなく若手。そうした若手でも、うまく切り出し、一参加者として参加しながら会議を改善する方法が具体的に示されているところが、この本のすごいところです。

おすすめの読者

本書は、会議の入門書ですので、おすすめの読者としては以下のようになります。

  • 会議の進め方を基本的なことから知りたい初心者
  • グダグダの会議を変える具体的で実践的な方法を知りたい若手社員
  • これまでにいろいろな本を読んできたけれど、うまくいかなかった中堅社員

この本には、フレームワークといったレベルの高い方法は書かれていません。しかし確実に会議を変えていく実践的な方法が書かれています。その意味では、上記の方に限らず、会議を変えたいすべての人におすすめできる本です!

まとめ

会議の進め方の本はたくさんありますが、この本のように物語形式になっているもの、会社で実際に試せる方法が書かれているものは多くありません。Amazonなどの評価も非常に高い良書ですので、ぜひ読んでみてください!