会議をスムーズに進行するためには、進行役だけでなく、参加者全員が議題や目的、時間配分などを共有していることが大切です。そのために、会議のアジェンダをつくりましょう。
アジェンダとは?
アジェンダ(agenda)は、「重要事項」「協議事項」「予定表」などの意味をもつ言葉です。会議におけるアジェンダは、その会議の目的や議題、会議時間、場所などが記載された文書のことをいいます。
例えば、新製品の企画会議であれば、次のようなアジェンダが考えられます。

アジェンダをつくる目的4点
アジェンダはなぜ必要なのか考えてみましょう。
議題や目的を参加者が共有できる
今日話し合うべき内容が文章として明確に記載されているため、参加者全員が議題や目的を確実に共有することができます。それによって、参加者の議論が噛み合いやすくなります。もしアジェンダがなければ、議題や目的を十分に認識せずに勝手な発言をする人が出るおそれがあります。
また、会議の主催者にとっては、アジェンダを作成することで、この会議の目的をしっかりと検討するきっかけができます。
議題や目的を口頭で伝えている人もいると思いますが、アジェンダの中に「明文化」することがきわめて重要です。口頭での伝達は曖昧になりやすいですし、参加者も必ずしもしっかりと司会の話を聞いているとは限らないからです。
時間を意識しやすくなる
アジェンダの書き方に決まりはありませんが、時間配分を書き込むことをおすすめします。これによって、それぞれの議題の重みが分かり、どの議題に力を入れるのかが参加者にもよく分かります。
また、時間配分が書いてあれば、参加者に「そろそろ結論を出さなければいけない時間だな」といったような時間の意識が芽生えます。話が長い人も「もう時間だから、話が長くなってはいけないな」と意識しやすくなりますし、話を切り上げたいときにも「そろそろアジェンダにある時間なので、結論を出していきましょう」といったような切り上げ方がしやすくなります。

脱線からもとに戻しやすくなる
会議では話が脱線することがよくあります。そのようなときにも、「えっと、今議論しているのは、議題2の○○でしたよね」というように、話を戻しやすくなります。
また、アジェンダに常に記載されていれば、脱線した発言をした人自身も、アジェンダに目を落とした際に、自身の脱線に気づいてくれる場合があります。
議事録をまとめやすくなる
アジェンダに議題や会議の目的が明確に書かれているので、議事録を書くときには、それに対応した形で書けばよく、議事録作成に不慣れな人でも議事録がまとめやすくなります。議事録の作成は若手の社員に任せられがちですが、決して簡単な作業ではありません。アジェンダがあれば、若手社員でも議事録がまとめやすくなり、あとでチェックする上司の手間も削減することができます。
また、アジェンダの項目ごとに議事録がまとめてあれば、議事録を読む側にとっても内容が頭に入りやすくなるというメリットもあります。


まとめ
アジェンダは会議や打ち合わせを行う際には、必ずつくりましょう。課内の比較的小さな打ち合わせから、部署をまたいだ大きな会議まで、会議の規模によってアジェンダをどの程度丁寧につくるかは変わってきますが、メモ書きに近い簡単なアジェンダでも、あるのとないのとでは大違いです。あなたが会議をしきる立場になったときには、必ず作成するようにしましょう。